ゆっくり酒さ治療

酒さ・酒さ様皮膚炎でなかなか治らないけど、ゆっくりのんびり改善していこうよっていう治療日記ブログです。

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2016
07/11

酒さと酒さ様皮膚炎の違いを知って自分の状態を把握する

先日病院で酒さと酒さ様皮膚炎について話していたのですが、先生から「酒さと酒さ様皮膚炎は別の病気だから分けて考えるように」と言われました。そうなのです。この2つの違いを知っておく事は治療の上でもとても大切な事なのです(これまでちょっと混同して話してました…)。

私は元々肌に赤みとプツプツがあり、その時処方されたプロトピックを使用したことによって症状が広がり、悪化しました。今の状態の診断は酒さですが、いまいち自分が本当に元々から酒さだったのか、それとも今でも続いているプロトピックで起こった酒さ様皮膚炎なのか、わからないなと思う事がありました。

なので今日は酒さと酒さ様皮膚炎を比べて色々考えてまとめてみたいと思います。

酒さ患者が酒さ様皮膚炎を起こすという可能性

酒さと酒さ様皮膚炎について調べ直していたらこのような記述に出会いました。

いわゆる赤ら顔で受診した紅斑血管拡張型酒さ患者では、仕方なく使われたステロイド外用剤でその症状を悪化させてしまい、酒さ様皮膚炎として加療される症例にもしばしば遭遇する。
酒さ ~酒さ様皮膚炎の病態と治療の整理~

酒さの患者が不適切に外用薬を使用した場合に酒さと酒さ様皮膚炎を併発する事があるって、私にとってはものすごく盲点でした。分けて考えすぎて逆に気付かなかったのですけど、こういうケースだってあるんですよね。

酒さの中で分けられるサブタイプ

でもここで紅斑血管拡張型酒さとわざわざ書かれているのも意味があるのかもしれません。酒さのサブタイプの事ですね。酒さの中でも色々なタイプが存在するのがこの病気のややこしいところでもありますが、これもそれぞれ症状を起こすメカニズムに違いがある事が分かってきています。

例えば『肌の赤みを起こす炎症や血管の新生』『血管の拡張』『鼻瘤』などが必ずしも共存しないのは原因が違っているからで、もし同時に症状が現れている場合は対処の仕方も違ってくるという事です。
参考:Rosacea: The Blessing of the Celts

酒さと酒さ様皮膚炎

一方『酒さ様皮膚炎』は外用薬(一般的にはステロイド)の使用によって引き起こされる『酒さのように見える皮膚炎』の事。なぜ同じように見えるかというと、酒さで見られるような表皮での免疫の異常がステロイド外用薬によっても引き起こされるから。体質か外用薬の副作用かの違いで、肌の上では全く同じ現象が起こっていると思われます。

まず酒さや酒さ様皮膚炎の炎症や赤みを引き起こしている原因の1つが『LL-37(カセリサイディンまたはカテリシジンという種類の抗菌ペプチド)』の異常ではと考えられています。

『TLR2→CAMP→KLK5→LL-37』これがその流れ。

  • TLR2:異物を感知して警報を発し自然免疫を働かせるToll様受容体の1つ。
  • CAMP:カテリシジン抗菌ペプチドの事。
  • KLK5:カリクレイン5。たんぱく質分解酵素の1つ(セリンプロテアーゼ)。
  • LL-37:プロテアーゼによって切断されてできた抗菌ペプチド。

Toll様受容体が異常を知らせて抗菌ペプチドが出動し、酵素などの働きによって抗菌作用を働かせるわけなのですが、酒さの肌ではこれがうまく働かずに異常が起こってしまうとされています。具体的にはLL-37の形が普通の肌のものと異なるという事でした。その背景にTLR2の異常発現があります。

酒さの肌ではTLR2が通常よりも多いという研究結果があります。これによって外部刺激対する感受性が高まり、抗菌ペプチドやプロテアーゼも表皮に多く集められ、結果プロテアーゼによる抗菌ペプチドの切断パターンに異常が生じる。との事。
参考(PDF):酒皶の発症メカニズムとその最新知見:自然免疫機構の皮膚疾患に与える影響

つまりこのどこかで経路を阻害すれば酒さの炎症を抑える事ができるかもしれないという事ですね。例えばテトラサイクリン系の抗菌薬。これは酒さに対しては抗菌効果を発揮しない程度の容量でも症状を抑えられると言われています。抗菌作用が症状を抑えるのではなく、その機序の中にある『プロテアーゼの働きを阻害する』作用が酒さに有効という説の根拠のひとつ。これ大事なところ。でも抗菌薬を服用し続けるのはリスクも多いので、この働きに特化した『プロテアーゼ阻害剤』の実用化がもっと進めばなと思います。

ステロイド酒さ様皮膚炎

そしてここからが本題。ステロイド外用薬が表皮細胞にTLR2を多く発現させるという事。

酒さではTLR2の発現が増加しており、酒さ様皮膚炎に関連したステロイドは表皮細胞にTLR2を誘導してアクネ杆菌への感受性を高めると考察される。
酒さ ~酒さ様皮膚炎の病態と治療の整理~

外用薬によって一時的に、体質的な酒さと同じ炎症の経路が出来上がるわけです。ステロイド酒さなら時間経過で治るよと言われるのはこういう事なのでしょうね。でもステロイドの場合は酒さ様皮膚炎の症状と併せてステロイド外用薬による副作用(菲薄化や皮膚萎縮)、リバウンド現象なども起こってくる可能性があると考えると発症した時にかなり重い症状であるケースもあるのではと思います。

プロトピック酒さ様皮膚炎

そしてプロトピックなのですが、こちらの使用による酒さ様皮膚炎ではTLR2の増加はみられなかったとの事。増えていたのはCAMPで、炎症までのステップが1つ短いです。外部刺激によって誘発されるのではなく、外用薬自体が抗菌ペプチドを増やしているという事ですね。断薬によって比較的早く症状が消失する理由はここですかね。Toll様受容体の働きの異常であらゆるものに敏感になっているという状態とは異なるのかと思います。
参考:酒さと酒さ様皮膚炎におけるTLR2とカセリサイディン発現亢進の意義

アトピー性皮膚炎では

ちなみにアトピー性皮膚炎の肌では逆にTLR2の発現が低下している事で抗菌作用が働かなかったりするそうです。そしてアトピー性皮膚炎ではプロトピックの使用でTLR2の数が正常に戻ったと報告されていました。これについてはmaruhoのサイトにある『プロトピックセミナー2015-Old&New-』で見られます。メインはアトピー性皮膚炎の話ですが、色々と勉強になりました。酒さ様皮膚炎の治療についてもプロトピックで良い効果が出ていると少しだけ触れられていました(酒さの併記はなく酒さ様皮膚炎のみです)。

まとめ

こうやってまとめてみると、ステロイドを使わずに症状が広がった私の場合はやっぱり体質的な酒さだったのかぁと一応納得できました。こうやって紐解いて自分の症状の原因を理解していくと、治療の道が開けてくるような気がします。

難しい話が多いですが、『カリクレイン5』なんかはお肌のターンオーバーに関わる酵素で、化粧品会社の研究資料などにも出てきます。これが正常に働いてくれるとつるつるな美肌になるそうなのですが…。
まずは病院で酒さなのか他の疾患かをしっかり判別してもらえるかが重要なんですけど、まだまだ難しいような気がしますね。

今までの記事のおさらいの部分も多かったですがここに書いたのも酒さの症状の1部の話だし、不確かな事もたくさんあります。色々と研究資料を読んでこうではないかな?と感じた私個人の意見も含まれますのであしからずです。。
ここからまだ免疫についてももうちょっと掘り下げてみたいのですが、長くなっちゃったので一旦終わります~。

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